ドローンに使われる「無線周波数」の違い
それでは、ドローンについての、さらなる勉強に入りますよ。
なんて、そんなに緊張しないで下さい。ドローンは無線操縦ですから、この無線については、避けては通れないのです。
とはいっても、一般的なドローンでは、知識として知っておけばいい範囲です。
中には、ドローンの種類や利用法によっては、無線従事者の免許を取得する必要のものもありますが、それは後ほど述べることにしますね。
ま、ここは頭の片隅にでも入れておけば十分です。
その前に、ドローンの基礎の基礎部分になりますが、どの部分に無線が使用されているのかを知る必要がありますよね。
一つは「プロポ」と呼ばれる「送信機」と、ドローン本体に装着された「受信機」のセットが「無線設備」として法の管理下に置かれています。
もちろんカメラやモニターも無線により操作されています。
つまり、ドローンと無線は切っても切れない関係なのです。
それでは、ここで一度「無線局」とは何ぞや?をまとめて覚えてしまいましょう。
電波を利用して「符号」を送り、又は受けるための通信設備を電波法では「無線電信」と定義しています。
(ドローンは、この「無線電信」を利用して飛行を許可されているのです)
また、電波を利用して「音声やその他の音響」を送り、又は受けるための通信設備を「無線電話」と定義しています。
この無線設備自体や、無線設備を操作する者の総体を電波法では「無線局」と定義しているのです。
【電波法 第2条第5号】には次のように記載されております。
--「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。ただし、受信のみを目的とするものを含まない。--
もちろん電波によって制御される無人航空機(ドローン)も無線設備に含まれるのです。
ただし受信のみでもって動作する無人航空機は無線局には含まれません。
しかし、現在市販されている無人航空機の多くは、無人航空機本体からプロポ側に様々な情報を送信する機能が備わっているために、「無線局」とみなされる場合があることを忘れてはいけません。その点は注意が必要です。
そして、ドローンで使用している通信設備は前にも書きましたが「無線電信」です。
そしてまた、「開局」に該当する場合には、電波法に基づく様々なルールを順守することになります。
さて、このドローンの使用する無線の周波数帯ですが、日本国内では現在2種類が使用(許可)されております。
それは「2.4GHz」と「5GHz帯」です。
でも現在、一般的に使用されているのは「2.4GHz」で、こちらは免許が不要です。
ただ一般によく知られた「Wi-Hi」も同じ「2.4GHz」帯の周波数ですし、その他にも多くが「2.4GHz」帯を使用しているので、混信などの不安が付きまとう周波数帯でもあるのです。
またホビー用(室内用)ドローンの周波数はというと、たいていの機種は本格的なドローンと同様の「2.4GHz」帯周波数を使用しているものが多いです。
なかには電波法による規制対象の5.8GHz周波数帯を使用したものもありますので、海外から並行輸入したミニドローンの場合や、外国からのお土産で購入したドローンは注意が必要ですよ。
(室内だけならOKという場合もあるようですが)
もう一方の「5GHz帯」ですが、こちらは2種類あり、そのどれもが無線技士の免許を必要とします。
(※電波法の管轄は「総務省」です)
その2種類とは「5.7GHz」と「5.8GHz」であり、「5.8GHz」は第4級アマチュア無線技士以上の資格が必要になります。
この「5.8GHz」のドローンとは、趣味でのアマチュア・ドローンレースを飛行させる場合に必要な資格です。
ドローンレースという単語も最近ではテレビなどで頻繁に出るようになって珍しいものではなくなりましたね。
そこで見かけるゴーグルをかぶってレーシング操縦している姿もよく見かけますね。そう、あれが「5.8GHz」を利用した「FPV飛行」であり「RVゴーグル」と呼ばれるものなのです。
そして、そのレースに出るために最低限必要となるのが「第4級アマチュア無線技士」という訳なのです。
何かよく分からないよね。私もけっこう難儀しました。
ですので、もっと分かりやすく言えば、操縦とモニターには別々の2種類の異なる周波数の電波を使っていて、この内の一種類(5.8GHzや5.6GHz帯など)の使用は一般的には日本国内では許可されてないので、これらの使用許可を得るためには、無線従事者の免許が必要である。ということなんでしょうね。
※免許不要の「2.4GHz」は様々なところで使用されているため、無線障害が出やすいというデメリットがあるらしいです。
そのため「操縦用」と「モニター用」に別々の2種類の周波数帯を使用するようになった。
という話を聴いたことがあります。(なるほどね)
もう一方の「5.7GHz」帯ですが、こちらは「業務用FPV飛行」に必要な周波数帯らしいです。
そしてそれら「5.7GHz」を使用して飛行するには「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要になるそうです。
(この辺の無線帯の話は込み入っていて、私も断言できないのが辛いところです。申し訳ありません)
双方とも、主に「FPV飛行」に利用される無線周波数帯のようです。
(※ドローンの法規制もそうですが、無線の世界も常に動きのある世界ですので、関心のある方は常時関心をもって「電波法」、「航空法」なるものを覗いてみて下さい)
(写真は、県境にある人気の「甑山」の風景です)
ところで、遅くなりましたが、ここによく出てくる「**FPV**」ですが、意味は「ファースト・パーソン・ビュー」つまり「**一人称視点**」と訳されます。この単語もよく出ますのでこの際覚えておきましょう。
分かりやすく言えば「モニター」や「ゴーグル」等を使用して遠隔操作する飛行のことです。
別名「FPVモニター」とも呼ばれます。
ドローンレース等の映像でご覧になったことがあるかもしれませんね。
※「FPV」についての追加記事になりますが、日本対応なのか「2.7GHz」のゴーグル・ドローンも発売されております。ただ、これはあくまでも一例であり、世界では「FPV」は「5.8GHz」だと思ってください。
また余談ですが、アマチュア無線の免許で飛ばせる「ドローンレース」は、あくまでも趣味の世界でのことであり、賞金などが出る「ドローンレース」には参加することができないそうなので、お気をつけ下さい。
※ただ、最近はゴーグルを必要としないドローンレースなるものも登場し、こちらは無線の免許(アマチュア無線の免許など)を要しない普及型ドローン(2.4GHz)だけを使用するため、賞金の出るレースであっても、誰もが参加できるタイプの「ドローンレース」ということになります。(けっこう、ややこしいですね。)
ラジコン機の電波状況
※ちなみに、ラジコン機の電波状況をお話しすると、1992年8月7日付で72MHz帯の上空用周波数10波が、また、1995年2月28日付で7MHz帯の産業用ラジコンの専用周波数6波が割り当てられ、ラジコン運用の安全性が格段に向上したそうです。
昔私が触っていた頃は、13MHz帯、27MHz帯、及び40MHz帯だったようです。(間違っていたらゴメンなさい)